高齢者講習

 70歳以上は、免許の書き換えの時に「高齢者講習」と言うのを受けなければならない。目の検査と講義と実際の運転だ。
 学校の教室を小さくしたような部屋で目の検査と講義を受けたのだが、同年代の人でもさすがに初対面の人ばかりだから、挨拶もしないし当然言葉を交わすこともない。
 こうした雰囲気はあまり好きではないので、一番近くの男性に話しかけてみた。皆さんこの年齢になると、現役を引退している可能性が高いから、見るからに穏やかだ。田舎のおじさん風の人ばかりだった。こういった雰囲気は薬局にいる時と何も変わらないから、僕にとっては毎日上がっている土俵で、どんな技でも出せる。
 皆さんも何かのきっかけを待っていたのか、すぐに会話が弾んだ。若者の集まりだったら皆うつむいてスマホをいじっているのだろうが、誰一人そんな人はいなかったから、沈黙と手持無沙汰からの解放は歓迎された。
 講義が始まってからもその雰囲気は続き、先生もそれに乗って来て、有意義で肩の凝らない時間を過ごすことが出来た。 一つ講義中のエピソード。
 夜間視力の話の時に、日曜夜の雨の猪狩りの話をしたら、なんと先生は、鹿狩りをしたらしくて、その時の衝撃は結構なものだったらしい。「先生でも鹿とぶつかるんだったら、僕なんかが猪を轢いても不思議じゃないわ」と言うと、「お互い気を付けましょう」と言われたが、なるほどその言葉の意味が分かる。先生もまた高齢者なのだ。
 3年前は、スタッフ全員が「えらそうで上から目線」だったが、今回はそれこそ全員がホテルマンかと言うくらい「馬鹿丁寧」だった。3年前に県知事に投書でもしてやろうかと思ったくらい頭に来たが、同じような人が恐らく沢山いたのだろう。その声が届いたに違いない。相手を尊重し良識を持って応待すればみんなが心地よくなるのに、現役時代の気質が邪魔をしていたのだろうか。警察官上りが多いような雰囲気が支配していたから。

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