過疎地

 藻谷 浩介さんの言われることには共感できることが多くて、テレビなどで見かけたら言われることに耳を傾けるし、活字で見たら必ず目を通す。
 今朝の毎日新聞に、とても勇気づけられる文章を寄稿していた。その中で、長年の僕の理由が分からない心地よさの回答もいただいた。
 牛窓町の人口は50年前に僕が帰ってきたころの半分くらいだと思う。そもそもが田舎町だから、薬局を営むには致命的な人口減少で、がむしゃらにそれをカバーするべく働いて来た。
 同業者は勿論、他の職種の方々の多くは、勤め人になって、空き店舗も目立つ。多くの田舎町がそうであるように、活気のない町になった・・・・筈なのに、僕はそのことが悪いことのようにはずっと思えないでいた。
 自然が壊される開発?はほぼなくなったし、消えていた生き物たちも見かける。交通量も減ったし、人々が穏やかになった。
 生業が立ち行かなくなると気をもむのが本来かもしれないが、今の穏やかさがちょうどいいように感じて仕方ないのだ。インターネットでほとんどのことが出来るから田舎でも何ら不便がないと言う時代の恩恵もあるのだろうが。
 そんな根拠のない感情を今日、藻谷 浩介さんがいみじくも解説してくれた。以下に要約する。
 林野や湖沼を覗いた土地を可住地と言う。日本の1平方キロメートルの人口密度はバングラディッシュ 韓国に次いで世界3位で1000人。4位のインドや5位でヨーロッパでトップのオランダが600人で、日本の過疎の県の代表と思われている鳥取県高知県と同じ。これからすると、日本で過疎が進行して人口が半減してもまだ、日本の人口密度は普通の国以上と言うことになる。
 反対に人口密度が1万人に迫る東京都は世界に冠たる人口密集地なのだ。世界市場にうまく進出している企業は、過疎地でももうけているし、過疎地で行政サービスが成り立たないなら、世界のほとんどの国で成り立たない。
 いずれ首都圏に襲来する大地震や大規模洪水で破格の被害を受ける。本質は過疎地に未来がないのではなく、東京の超高密度を善とする考えこそ、日本に未来がないのだ。

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