不条理

 誰がどのように計算したのか詳しくは見なかったが、タイトルに大谷翔平の契約金が、2万人以上の市民が生涯稼ぐお金と同じくらいとはじいていた。
 彼は若いのに人格者であることから、多くの人から好感を得て、敵を作らないと思う。僕も彼が嫌ではないが、アホコミがネタに使い、それを2万人の側に属する人たちが何の違和感もなく受け入れていることが不思議だ。
 野球好きが高じてうまくなり、サッカー好きが高じてうまくなり、歌好きが高じてうまくなり、それはそれでどの職業でもいえることだからよいが、その高じた果ての金銭的報酬が、2万人の生涯収入に匹敵すると言うことを、肯定的に受け入れられるのだろうか。僕はそんなお人よしにはなれない。
 さっきまで悲惨なガザのニュースを流していて、それなりの深刻な顔をして原稿を読み上げていたのに、一転して大谷のニュースにスタジオが盛り上がる。僕はそれについて行けない。だからチャンネルを変える。 
 見せていただく、聞かせていただく、働かせていただく、食べさせていただく。2万人の側は多くの人生の場面で「させていただく」側だ。ほとんど与える側には回らない。自由も平等もいらないのか?知らないのか?
 選手に1000億円払っても懐が痛まない人間が世の中にいることを、僕は不条理と呼ぶ。

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