「あー 果てしない夢を追い続け・・・」とあの高音で歌う歌の歌詞、いやグループ名が頭にすぐ浮かんだ。
僕が漢方薬を始めた頃買ったものだから、もう３０年以上前のものだ。よくも今まで壊れずに動いてくれたものだと時に触れて感心していた。ところが１週間前に、攪拌中に耳にしたことがないような音がした。攪拌が終わり薬を出して気が付いた。プラスチックでできた容器にひびが入っていたのだ。割れてはいなかったが、恐らくこれを使い続けると割れてしまうだろうことは容易に想像がついた。そこでさっそく製造会社に連絡すると、運良く５個くらいその機械にフィットする容器が東京本社に残っていると言うことだった。東京から岡山の出張所に送ってもらい、技術屋さんが取り替えに来てくれた。
新しい容器を見た時の印象が「まるでクリスタルのよう」だった。透明で光って、今までの茶色く色素が沈着したようなものとはエライ違う。３０年前にはきっと同じようにきれいだったのだろうがそんなものは記憶にない。長年、漢方薬に表面を傷つけられ、色素も抜けないくらいしみこんでいて、まるで別ものだった。
電気器具で、３０年以上安定して使い続けることが出来るものは少ないと思う。シンプルにかき回すだけのものだから、壊れなかったのだろうか。なぜこんなに買い替えなければならないのと、不信感ばかりが募るパソコンなどとはえらい違いだ。悪意さえ潜んでいるのかと、買い替え時には頭によぎる。
単なるプラスチックの容器でも、こちらの感慨が上乗せされるとクリスタルのように輝く。人でも同じかな？
