実るほど頭を垂れる人は実際にはいるものなのだ。田舎だから実りすぎる人はめったにいないから、諺のような人にも巡り合ったことはないし、幸運にも実りすぎてのけぞる人にも遭遇したことはない。心穏やかに過ごすことが出来る一つの要因にもなっているかもしれない。
 ところが今日諺通りの方に遭遇と言うか、発見した。というのは半年くらい薬局に来てくださるが素性を尋ねたことはない。もちろん向こうも言わない。僕の印象は、都会から引っ越してきたとても穏やかな方。品がいいのも、教養があるのも、隠しきれずに駄々漏れだが、それ以上に入って行くのは僕の流儀に反するから、薬剤師としての必要な情報に限って話を聞いていた。
 今日処方箋を持ってきたときに、興味本位でその薬が必要な理由を尋ねてみた。すると、日本中飛び回っていることを教えてくれた。僕より若干年上の方が、東へ西へと飛び回っている。僕の行動範囲だとほとんど旅行なのだが、その方にとっては単なる仕事の移動。疲れやすくなったというテーマだったが、疲れないほうがおかしい。
 疲れを改善する処方箋を持ってきたのに僕が「滅茶苦茶元気ですね!」と言ったものだからそこから話が始まった。若い時にはあるヨーロッパの国に駐在していたこと。そして今は頼まれて、誰もが知っているある会社の顧問をしていることを教えてくれた。会社の名前を出したら知らない人はいないと思う。
 まさかそんな肩書の人が牛窓に引っ越してくるとは思わなかったので、人物に合わせた会話を全くしていない。漁師やお百姓のおじちゃんやおばちゃんに対峙するのとまったく同じように応対しているが、そのことに対する不快感は全く持っていただいていない雰囲気は感じ取れる。もっとも僕は相手によって、接遇に差をつけることはない。むしろ庶民との素の会話を楽しんでいただきたいくらいだ。
 そうしたざっくばらんな関係がご家族の健康の大いに貢献出来て、少しは田舎を見直してもらえたかもしれない。今思えばよく僕の薬局を訪ねてみる気になってくれたと思う。東京にはいっぱい選択肢はあるだろうに。
 その人が醸し出す雰囲気が、想像通り、いや想像以上だったことに感謝する。

 

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