「年収600万円の上に車も家もつけるんですよ!」
 気の毒そうに薬の問屋さんが言ったのは、県北の調剤薬局は人が集まらないから、薬剤師の募集に当たっては、冒頭の条件を提示するらしい。その条件でやってくる薬剤師はいるが、よそがそれを上回る条件を出したらすぐに辞めていくそうだ。「やっておれないですよ」は本人の感想か、調剤薬局の感想か。
 病院が出す薬でぼろもうけをするのを防ぐために分業が始まったのが日本の分業だから最初からいびつ。西洋のように薬(毒)を監視する機能を持っていたのとはエライ違い。分業当初は儲かって儲かって仕方ない状態だったらしいが、最近は違うそうだ。僕に言わせば普通に近づいただけだと思うが、いい目をしてきた人たちには何か損をし始めたと感じるのか、値打があるうちに、大手の薬局チェーンに身売りして、老後は悠々自適で逃げ切る薬局が増えている。
 安富先生がしばしば口にされることだが、日本では税金相手の仕事しか儲けられないらしい。まさに言い当てて妙。
 僕は下請けは嫌だったので、自立の薬局を目指した。だから不必要に頭を下げることもなかったし、時には処方の批判もした。それで救われた人は多いと思うが、これはこの世界ではご法度らしい。
 実入りが少なければ質素に暮らし、多いと設備を整える。運よく家族だけでやっているから、世の景気に翻弄されることもない。進歩した調剤機器に助けられ、この歳でも何とか役に立つ。時代は変わっても立ち位置だけは変わらなかった。望んで就いた職業ではないが、立ち位置さへ揺るがなければ何とかなるものだと今なら言える。上っている時には見えないが、峠の向こうにも道は延びている。

 

日本復活のために安倍晋三逮捕は必須事項。アベノミクスの嘘。アベノマスク廃棄の混乱。経済・政治の知識が全くない安倍晋三という元総理大臣。安冨歩東大教授。一月万冊 - YouTube