予知

 こんなに離れていても鳴るのかと思った。聞き覚えのある音なので少しばかりびっくりした。ただし、僕は携帯電話を持っていないから、どこで嘗て耳にしたことがあるのか定かではない。唯一考えられるのはテレビだが、テレビも携帯電話も緊急地震情報の音が同じかどうかは知らない。
 スマフォで妻がすぐに確認すると東北で震度5地震があったことを知った。連休中に地震があると予言していた人が二人いる。一人は地震雲博士の妻と村井俊治東大名誉教授だ。
 前者はしばしば予言するから、数打てば当たることがある。問題は後者だ。
 村井先生は専門は地震学ではなく、統計学だったと思う。何かの統計の乱れが東北沖地震の前兆だったことに気が付き、今は予報に利用している。今回、ありえないことだが期間をとても狭く区切って、連休のころ大きな地震が起こるとして警告していた。危険区域として日本の数か所を上げ、気を付けるようにと言われていた。
 漠然と言っておけばいくらでもつぶしがきくが、短期間に、それも限られた場所で起こると予言するのだからかなりの覚悟が必要だ。東北地震を見逃した自責の念で、自分を追い詰めての発表だ。オオカミ少年になり国民のあざけりを買うことになっても、危険を知らせたいのだろう。数多のタレント学者や守銭奴学者とは違う。
 今日の地震を言い当てたのか、あと数日内に起こる地震を言い当てなのかはわからないが、東北以来多くの地震を当てたのだから希望が持てる。それも地震学者でない方が一番確率高く予知されるのだから。

 

過敏性腸症候群、うつ病のご相談は栄町ヤマト薬局まで