母親の漢方薬に取りに来た女性には、1年前に漢方薬を半年以上飲んでいただいた。たいていの人が一番なりたくない病気の手術をした後、お母さんの介護が始まった。体重がどっと落ちた後の介護だから心身ともに負担がかかり、自律神経も心もかなりやられていた。そんなときに僕の漢方薬が幸運にもお役に立って、食べることが苦痛でなくなり、体重も増え、眠れるようになった。自信は漢方薬がいらなくなっている。
 お母さんの症状を尋ね薬を作ったあと少し雑談ができた。その時にふと漏らしたのが毎晩アルコールを楽しんでいると言うこと。これには驚いた。なぜなら、女性を形容するのに一番ふさわしい言葉が「おしとやか」だろう方が、毎晩お酒をたしなんでいるのだから。お花を生けているとか、お茶を立てているとかの言葉が出てきそうな方からいきなり酒が出てきたのだから、嬉しい驚きだ。ご自分をアルコールで解放し、またその点滴みたいな成分も利用して幾分太ってきたのも嬉しい。「太ればガンでも治る」を地で行っているのだからお世話をさせてもらった僕は格別だ。
 何気ない日常によくぞお帰りだ。


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