はやぶさ2

 はやぶさ2が大気圏に突入して流れ星になった時、朝のテレビのニュースで見ただけだが、きれいなものだなと思った。天文学に興味がないからはやぶさ2の価値はよくわからないが、流れ星だと思えば大きくてきれいだ。
 僕みたいに、無知で冷めた人間には所詮そこまでだが、中には驚きの表現をする人たちがいる。
「よく頑張ってくれました」「ありがとうを言いたいです」「お疲れ様です」「おかえりなさい」「格好良かった」
 もはやはやぶさ2は人格を持っているのだ。まるで人間のように、あるいは人間の形をしたロボットのように自然に話しかけている。中には中継を見ながら涙を流している女性もいた。コメントのほとんどは天文ファンのものと思われるから、知識があればあそこまで人格化できるのだと驚いた。いや驚いたと言うか感動したと言った方がより近いかもしれない。はやぶさ2に感動している人に感動したってことだ。
 「人それぞれ」を思い知らされる出来事だった。土俵が異なればこんなに愛着が異なるのだ。それはそれでいい。人間の多様性を証明するようなものだ。だからいいのだ。もしみんなが同じ方向を見て同じものしか見なかったら、「げに恐ろしや!」