僕には危険な癖があり、あとから怖くなることがある。ただ、この癖は、僕特有のものか、あるいは結構同じような人がいるのかは分からない。つい最近もやってしまったのだが、その後何ともなかったから難は免れた。
 もう1週間にはなると思うが、食事中に何か食べていた時だ。食べながら酸っぱいなと感じたがそのまま食べた。その後目の前にいる妻が口に入れて酸っぱさに気が付いたのだろう、吐き出すと言うか、徐に口から出して捨てた。僕も脳裏にこれはまずいと浮かんだのだが、なぜか僕は吐き出さずに飲み込む癖がある。同じような経験では、熱さを無視して慌てて口に入れた時、やけどしそうになるとそれこそ飲み物でも飲み込んでしまう。胃袋がとっさに熱さを感知するが、もうその時には何もできず、ただただ後悔と何もないことを祈るだけだ。テレビの劇などでお茶を吹き出す光景があるが、僕には経験がない。なぜか飲み込んでしまうのだ。
 ただし僕にはもう一つの癖があり、決して飲み込まない癖もある。それは権力者の横暴を許せない癖だ。汚部をはじめとする汚い人間たちを許せない。だからあんな奴らのことは飲みこまずすぐに吐き出す。飲み込んだままで心を窒息させるなんてまっぴらだ