正義感

 薬局の前の駐車場に出て行くと、黒いランボルギーニもどきがとまっていて、中に二人の男性が寝そべっていた。一人は僕より少し歳上の男性で結構目立ちたがり屋で、もう一人は若かった。二人はじゃれあうようにして、如何に車内が広くて快適かを誇示していた。そしてハッチ?を閉めて寝転んだまま車を出そうとするから、不思議だなと思っていたら、なんと自動運転の車らしい。だからこれ見よがしに寝そべっているのを見せたのだ。余りにも珍しいから人も何人か寄って来て同じように見ていた。僕は初めて自動運転の車を間近に見たものだから、その技術の進歩に驚いた。
 ところが車が駐車場から出るや否や、薬局の目の前の道路に沿って流れる小川に転落した。小川だから車体の半分は道路より高い位置にある。自治体が最近財政難のため道路の草を刈ってくれない。だから小川が見えなかったのか。AI技術か何か知らないが、草如きにだまされるのかと滑稽だった。僕はおかしくて小川で逆立ちをしている車を眺めていたら、誰かが助けに行った。これは失礼と思ったところで目が覚めた。
 この夢の中で事実と重なるのは、その目立ちたがり屋の男性。かつてあることで接点はあったが、この10年以上会うこともない。僕の中では取るに足らない人間だからなんでいまさら登場したのか分からない。車が落ちたところは実際には幅10数センチの単なる溝。何でこんな夢を見たのだろうと不思議だが、強いてこじつけるなら、トヨタの宣伝に出て来る東大卒と言う不細工な俳優が、理屈っぽく大声で叫ぶコマーシャルが耳について不愉快だったことくらいだ。コマーシャル一本で1年悠々と暮らすことが出来ること。輸出しても消費税を全く払わなくてすむ悪意に満ちたシステムの最大限の恩恵を受けている、いや受けさせている張本人がトヨタ。この二つが重複して僕を夢の中でも不快にさせ、夢の中でも一矢報いてやろうと炎を燃やしたのだろうか。毎晩れいわ新撰組山本太郎の演説を聞いているから、若き日の正義感が戻ってきたのかもしれない。