奇跡的

 何度も書くが、パソコンの故障ほど僕にとってストレスはない。毎日たくさんの作業を行っている大切な機械だし、調子が悪くなったら自分で回復できないと言う二重苦だ。
 昨日も、全くの僕の油断からそれが起こってしまった。だけど又それが奇跡的に復活した。その顛末とは・・・・・・・・・・・
 僕は田舎で薬局をしているから、訪ねて来てくれる製薬会社のセールスは大切にする。色々な情報を持ってきてくれるからだ。その姿勢は父から受け継いだもので、父の代は情報は彼らを通してしか入ってこなかったから余計大切にしていたのだと思う。
 昨日の午後、ある漢方薬の会社のセールスと話をしていた。その時に左手においているパソコン画面を眺めながら話していた。と言うのは午後からの漢方薬の注文を確認していたのだ。すると迷惑メールに一つ依頼のメールが入っているのが見えた。漢方相談と言うタイトルだったから、初めての方かもしれないし、再注文の方かもしれない。どちらもそのようなタイトルで入ることが多いから。そして何故か迷惑メールに入ってしまうそれらの大切なものは、受信メールの位置に移さなければならない。いつもはかなり注意深くする作業なのだが、昨日は目の前のセールスと話をしながらやってしまったので、ついフォルダを空にしますかと言う問いかけをクリックしてしまった。これで万事休す。せっかく接触してくださった方に返事を出すことができない。とても許されることではない。いつもなら途方にくれるのだが、そのときは目の前にセールスの人がいた。そして彼に何とかならないかと頼んでみた。彼は果敢に、自分のスマフォで修復の仕方を確認しながら、挑戦してくれた。・・・・・・・すると突然その時に、新しいメールが入ってきた。そう、復元できたのかと思ったら、まさに新しいメール、それも先ほど僕が消してしまった人からと思われる再メールなのだ。再びメールを下さった理由が、住所を書き間違えたか書き落としたかららしい。何と言う奇跡だろう、一瞬彼の力かと思ったが、住所を訂正してくれるために再送してくれたのだ。こんな幸運があるだろうか。僕は恐らくメールをもらって消してしまった事をかなり引きずると思う。その精神的な苦痛をその女性の「ミス」が救ってくれたのだ。
 こんな運のよいことが起こるのかと昨日はとても気分がよかった。僕にとっては最上級に属する幸運だ。こんな田舎の薬局を一時的にでも頼ってくれる人に、意図せぬ不快感を与えたくない。田舎の薬局がつぶれないキーワードは、非力でも一所懸命。