居心地

 一度涼しくなりかけていたから、このところの暑さは結構こたえる。夏ばての時期と重なっているからか倦怠感が抜けない。特に午前中僕は弱いから、コーヒーやユンケルで覚醒しまくっている。それでも追いつかなくてパソコンに向かっていたらつい居眠りを始めてしまう。居眠りと言うより失神に近いかもしれない。
 今日もクーラーの中で居眠りと格闘しながら働いていた。入り口の窓ガラスの横に時々老人の姿が見えたり隠れたりする。昨日から店舗横の階段のタイルを張り替えてもらっているのだが、職人の親か手伝いか、はたまた社長か知らないが、僕より一回りは上の方だと思う。この暑さの中でずっと働き続けている。朝の8時過ぎに毎日草むしりを僕は日課にしているが、5分もすれば失神しそうになるくらいしんどくなるのに、その老人はずっと太陽の下で働いている。
 クーラーの効いた建物の中で、汗ばむこともなく働いている僕。ガラス戸一枚で労働条件が違う。なんだか後ろめたさを感じる。見掛けだけでは何も分からないが、このような時僕は、必ず僕以上に幸せであってほしいと思う。そうでないと居心地が悪すぎるのだ。