自虐ネタ

 「福島や東北の町がオリンピックの海外チームの合宿地を誘致するといった動きが加速し始めている。福島県楢葉町広野町にまたがるサッカー施設「Jヴィレッジ」。福島県沿岸部のいわき市の事前合宿誘致。宮城県石巻市では6月末に、旧国立競技場から貸し出された1964年東京五輪の聖火台に火をともすイベントが開かれた。・・・」  僕には史上最高の自虐ネタにしか思えない。あれだけ苦しめられているのに、本来自分達のところに賠償金として回ってくるお金を、横取りされているのに、おこぼれをちょうだいなどと卑屈によくも言えるものだと思う。もらう権利がありながらどうしてそれを主張しないのだろう。他の県に住む人間だってそのことに関して異論はないと思う。自分が土地も仕事も家も家族も失ったことを想像すると、怒り狂って責任者を糾弾するだろう。糾弾どころか追い詰めてしまうかもしれない。ましてこれから何十年も放射能に細胞を犯されながら生きて、何処まで健康を害するか分からないのに、その責任と保証を今約束させておかずにいつそれを主張するのだろう。思い立ったときには、張本人たちは幸せな余生を送り、天寿を全うしてこの世にはもういないかもしれないのに。  放射能だけでは飽き足らず、今度は銃弾の中をくぐれという。誰を守るために命を差し出さなければならないのだ。トヨタの社長か三菱の社長か。オリンピックが聞いてあきれる。貧乏人から集めた税金を、要は自分達が手にするためだけに誘致するのだ。だから施設は大きいほうがいい。お友達のなにやら建設が大もうけして、それをまた政治献金として回してくれる。  金を搾られ、健康を害され、アメリカさんへの貢物として命を差し出される底辺だけが明らかに広がっている。底辺こそやつらには必要なのだから。