栄耀栄華

 何かの間違いではないかと思ったが、あの汚い連中のすることだからさもありなん。  オリンピックに要するお金が2兆円に達するとある新聞に書いていた。誰が喜ぶのだろうと思うが、そこはちゃんとアホノミクスのお友達に金がいくようにできているから、毎夜毎夜嬉しくて仕方ないだろう。庶民が立ち入る事ができないようなところで祝宴のあげっ放しではないか。貧乏人が与えてしまったお墨付きで、やりたい放題の極楽浄土。  福島の人は何故怒り狂わないのか僕には分からない。東北の人がテレビで話しているのを聞く機会はあるが、おしなべて穏やかなように聞こえる。あの独特の方言のせいだろうか、それとも土を耕してきた人達に伝わる温厚さなのだろうか。自分達が当然もらってもいいお金が、ゼネコンに行くのを黙ってみているのだろうか。放射線を浴びせられて、土や社会を崩壊させられてなお栄耀栄華を極めているやつらのご機嫌を伺いながらこれから先も生きていくのか。  もし僕に2兆とは言わないまでも、豆腐2丁分くらいのお金があったら、牛窓中の耕作放棄地を買う。もう草ボウボウ、いや大きな木まで生えているところを買い、人が苦手な、今の時代に生き辛い人たちに耕してもらう。土地には悪意がない。草にも木にも悪意がない。空は希望で雨は慈しみ。そんな中で生産活動に従事してもらいたい。食べ物を作り社会に提供する。能動的に暮らしてもらいたい。  豆腐2丁がダメなら、出前一丁でもいいのだが。