豪華

姉夫婦が来年、4ヶ月かけて世界一周の船旅をするらしい。豪華客船によるもので一人が200万円必要だといっていた。義兄のたっての希望に姉が同行するらしい。姉が「あんたも行ったら」とパンフレットを送ってくれるそうだ。いくらフェリーが好きな僕でも4ヶ月も薬局を空けるわけにはいかない。引退してもいいような状況だと気兼ねなく行くこともできるが、気兼ねばかりで精神が1日ももたないことは容易に想像できる。  今朝テレビを見ていて、JR西日本が、豪華列車を来年から走らせると発表していた。JR九州の2番煎じだが、それを見ていた妻が「世界一周なんてしなくてもこれでいいんじゃないの」と言うから、僕も「そうじゃが、この程度でいいよ」と答えると「珍しく意見が一致したね」と妻が言った。確かに珍しいと思った。が、その後、費用の予想が出ていたが、2泊3日で70万円くらいだったように思う。その値を聞いてすぐに「もったいない」と二人が言ったから、今日は珍しく意見があう日だと思った。「二人で150万円払うなら、かの国の人たちを8人ずつ100回くらい和太鼓や第九のコンサートに連れて行ける」とそろばん一級の僕はすぐに暗算で割り出した。妻ならそのお金を何に使うのか知らないが、恐らくその使い方はしないだろう。3回まで意見の一致があれば奇跡的だが、そこまで一致すればむしろ息苦しいからこの程度で十分だ。  結局は今までどおりひたすら働いて、ほとんど何もせずに終わるのだろう。何でもできるほど元気がなくなったおかげで旅行などに未練は全くないが、時には鼓童や倭やTAOを一人でこっそりと5000円出して聴きにいってみたい。