洋菓子

近畿地方の方で、漢方薬を飲んでいただいている女性から高級そうな洋菓子が送られてきた。丁度その時、牛窓北小学校の保健委員会に出席するために急いでいたが、興味深々だったので慌てて蓋を開けてみた。洋菓子なのにまるで王冠のように輝いていた。送ってきてくださった方が前もって教えてくれていたので「これが有名なマツコデラックスのケーキらしいよ」とみんなに教えてあげて「僕が帰って来るまで食べないで」と言い残して出かけた。 保健委員会に集中できないほどの甘党ではないが、かなりの甘党には違いない。結構楽しみにして1時間半後に帰ってきた。するとパソコンの前で、薬剤師と漢方問屋の専務さんがなんとすでにケーキを食べていた。特に薬剤師は極度の甘党で、幸せそうな顔をしている。捨てられた犬猫の世話をし、それらを救おうと獣医さんで病気について、僕のところで漢方薬について勉強しているが、ケーキを食べた後の表情はそうした使命感からは遠く離れていかにも幸福そうだった。 昼食をとる時間がなかったこともあって、少し多めに食べた。当然といえば当然なのだが、とてもおいしかった。僕は自分の甘党の害を少しでも減らすための一手段として、頂き物しか口にしないことを鉄則としている。最近では、めったに口にしないから美味しさやその価値がよくわかる。送ってくださった方も認める有名品だから、期待通りにかなり美味しかった。施設の入所者のために一所懸命に調剤をしている娘夫婦と、お預けをまじめに守っていた姪に「有名なマツコデラックスのバームクーヘンだからいただいてみて」とせかすと、娘が馬鹿にしたように言った。「お父さん、あれは関西で有名なマダムシンコよ」