必要もないのに癖でいつも右手の親指と人差し指と中指の爪を伸ばしている。下手だけれどギターを弾く時に、それなりに必要なのだ。自分で楽しむようなことはもう何十年もないから、ある所で時に伴奏をするのに必要なだけだ。下手だから余計爪がないと音が出ずにその時は必需品なのだが、平生の生活では邪魔になる。それこそパソコンを打ったり、レジを打ったりするところからじゃまだ。  ただ昔と違うところは、伸ばしていると結構あるところまで来たら自然に割れてしまうことがしばしばあることだ。何故か中指の爪が良く割れる。だから中指に限っては爪切りを使うことがあまりない。そんなことを考えていたら、ふと昔の人は伸びた爪をどうしていたのだろうと考えついた。長い爪が何かに引っかかったときの痛みは相当なものだから、古代人達はかなり痛い目にあっただろうと想像したが、何かしら工夫をして爪を短くしていたのではないかとも想像した。まさか伸ばし放題はないだろうとも思った。少しばかり考えてみたが、確信が持てるような答えは浮かばなかった。そこで、いくらインターネットでもそんな馬鹿な疑問に答えられる回答は載っていないだろうと思って、期待せずに「爪 古代人」と言うキーワードで検索してみた。するとなんてことだ、あるはあるは、僕と同じ疑問を持った人の質問と、その回答が一杯掲載されていた。僕は回答よりも、同じような疑問を持った人達が沢山いたことに驚いた。答えらしきものも一杯載っていたから、おいおい見ることにした。  分からないものは何もないと再認識させられた一瞬だが、何でもありの負の側面も又大きい。安易に得られる知識に足を掬われた美人研究者もいるが、彼女は煎じる爪のあかの提供者を間違ったのかもしれない。