最終処分場

 以前から疑問に思っていたことがどんどん裏打ちされる。1999年以降に承認された抗ウツ薬が、患者を増やすことばかりに貢献しているのではないかと思っていたが、そもそも18歳以下の人間には効果すらないと海外の試験で明らかになった。数年前から成長期の子供に与えると自殺の衝動が高まると警告されていたが、効果のないもので自殺の衝動だけ作られたりしたらたまったものではない。  製薬会社が性善説で説明できないことは嘗ての薬害事件の対処の仕方などで明らかだ。東電やマスコミほど質は悪くはないが企業であることの宿命で営利追求を第一義にしている以上構造は同じだ。どうも最近の企業は、良い薬を作る努力より、多くの患者を作る方が手っ取り早く利益を上げれることに気がついたのではないかと思う。テレビで逆流性食道炎だとか過活動性膀胱とかうつ病とかを連呼すれば視聴者はその気になる。新しい薬が開発されるたびに患者が何倍にも増えるのだから、どんな方程式が隠されているのか分からない。最早企業にとって患者は消費者にしか見えないのではないか。それとも最終処分場か。