大学院

大和先生 3年程前にIBSでお世話になっていた○○です。当時はお電話で沢山相談させていただき、とても勇気づけられました。お陰様で現在は不自由なく生活しており、夫と4羽のセキセイインコと楽しく暮らしております。今回お手紙を書かせていただいたのは、大和先生にお礼とご報告のためです。一度お礼に岡山にも伺いたいと考えておりますが、なかなか実現できないので、いずれは夫と瀬戸内海の観光に行く予定を立てて、牛窓のヤマト薬局さんにごあいさつできればと考えています。 本年の3月に勤めていた会社を退職し、先日臨床心理士になるための大学院に合格しました。入学後はIBSの方々への心理療法について研究を行いたいと考えています。大和先生のように漢方薬を使うことは出来ませんが、自分にできるやり方で、いつかどなたかのお役に立てたら嬉しいです。まだスタート地点に立ったばかりですが、苦しんでいた頃の私からすれば、今がすでに奇蹟に思えます。本当にお世話になり、ありがとうございました。大和先生やご家族の皆様もどうぞご自愛ください。 ○○

 メールではなく、丁寧に手紙を頂いた。過敏性腸症候群の方を800人くらいお世話してきたから、すぐに誰々と確信を持っては思い出せないのだが、この女性は恐らくいつも都会の雑踏から電話をくれた人だと思う。電話の向こうには行き交う人々や街の騒音がいつも聞こえていた。カルテには体調に関して知り得た情報を所狭しと書いているのだが、人となりなどは知るよしもない。ただ大学院に、それも臨床心理などと、難しそうな勉強をしに行くのだから、余程しっかりとしていた女性だったのだと思う。間違ったら失礼だが「治ったら、駅の景色が全く違って見える」と表現した人ではないかと思う。僕はその表現がとても気に入って、過敏性腸症候群で治療を始めた方によく披露している。どなたにも、落ちこぼれることなく経験して欲しい感動なのだ。  心理学など全くの素人の僕の話でも役に立てることがあるのだから、大学院で勉強して、それも自分が長い間苦しみ克服した症状だから、大いに人の役に立てると思う。近い将来、青春の落とし穴に落ちた若者に専門家として、又体験者として手を差し伸べて欲しいと思う。