治療抵抗性

 治療抵抗性とは、「治療に対して反応がよくないこと」と言う意味らしいが、これだとなんだか患者のほうに責任がありそうな表現だ。治療者側からすると、施す治療に旨く反応してくれなくてなかなか治せれないと言う事だろう。難しく言っているだけで僕だったら一言で「効かん」だ。  過敏性腸症候群IBS)は、治療抵抗性を示す患者が少なからず存在することなどが課題となっている。日本消化管学会のワークショップの中で、IBS患者の治療抵抗性因子の解析結果が報告された。 そこで「性(女性)と精神的QOLの低下がIBS治療抵抗性の独立したリスク因子だった」と結論づけられた。すなわち、女性は男性と比較するとより強い精神症状を呈することや、不安や抑うつIBSの治療抵抗性リスク因子になると言うことだ。  これでは女性の過敏性腸症候群の方は浮かばれない。女性で不安を抱えている人や抑うつ状態の人は治りにくいと宣言されているようなものだ。この格差が広がった暮らしにくい世の中で不安を抱えていない人などほんの一握りの人間だ。政治屋や疫人と通じている人間しか甘い汁は吸えない。努力しても、誠実に生きても実り少ないとなると、心穏やかに暮らすことなど出来るはずがない。他人を傷つけることが苦手な人は自ずと自分を傷つける。そして自分の標的は抑うつ気分か、肉体なら心臓か胃か腸だ。人は主にその3つのうちの1つを犠牲にして生き延びる。それを治療抵抗性と呼ぶのだろうか。  精神的なQOLを次のように説明されているのを見つけた。「精神的な自己実現を得るための指標となり、個々の日常生活を充実させ、幸福感や生きがいを自ら発見し、人間らしく生きていく」具体的には明るく,楽しい気分で過ごす。落ち着いた、リラックスした気分で過ごす。意欲的で,活動的に過ごす。ぐっすりと休め,気持ちよくめざめる。日常生活の中に興味のあることが沢山ある。  これを読んで何を言っているのだろうと思う人が多いのではないか。この国でこれらが実現できた時代があっただろうか。経済が豊かになるにしたがって、より欲しがり、経済が停滞し落ちてくるにしたがって、ますます欲しがり、ついには人を間接的に殺してまで手に入れる。治療抵抗性などと言われる筋合いがない人達には是非、思いあがり人間達への静かなる抵抗性を持ち続けてほしいい。