免疫

 どうも解せない。いくら現代の老人が元気と言っても、77歳で花粉症を発症するなんて。免疫が落ちてくるから本来なら、花粉症から卒業している年代だ。それが卒業どころか入学するなんてことがあるのだろうか。 めまいの漢方薬をもう数年飲んでくれている人がいる。以前は年に何回か病院に運ばれていたがこの数年めまいは起こらない。その人が、実は1月から花粉症になって病院で薬をもらって飲んでいるが、あまり効果がないと教えてくれた。薬の名前を尋ねると3種類を正確に教えてくれた。どれも処方せんでよく見る薬の名前で、正しい処方がされているのだろう。花粉症だったらそれで見事に効きそうなのだが、余り期待通りには効いてくれていないらしい。症状も典型的なクシャミ・鼻水・鼻づまりではなく、鼻水だけらしい。僕はひょっとしたら花粉症ではないのではと思ったが、そんなこと専門のお医者さんが診察して診断しているのだから素人が口を挟む問題ではない。もう一度だけ先生に病名を教えてと頼んだらと助言するのが精一杯だった。  まあしかし、お医者さんが花粉症と診断するくらい現代の老人は元気なのだ。昨日ニュースでパキスタンから帰ってきた人達を写していたが、ずいぶんと年齢が高かった。あの年齢で長時間の飛行機の旅に耐えられるのだと感心した。若者が職に就けず、老人が外国に遊びに行く。やっておれないと破滅的になる人を余り聞かない。どんな倫理のブレーキが働いてくれているのか知らないが、いつまでも摩耗を知らないブレーキなどあるはずがない。ブレーキを離してアクセルに足を起き始めると誰も止められなくなる。免疫の暴走は難病に繋がる。花粉症くらいなら可愛いが、社会の暴走は高くつく。