手のひら

「メールありがとうございます〓なんとか大丈夫です〓 前回の地震と全く違います。停電で信号も動いてません。水が出るのでそれだけで有り難いです。 情報が入らずラジオだけが頼りです。 電話も繋がりにくいです。 いつまで 続くのかな…」  東北の地理に詳しくないので漢方薬を送っている方々のハッキリした場所は頭に浮かばない。ただ、海沿いの町の名前だけは全国的に有名だから、かなりの部分想像がつく。幸いそうした有名な町の方には漢方薬を送っていないみたいだから、皆さん無事でいて下さると思う。 午前中の教会のミサの中でも、午後からの薬剤師会の代議委員会の中でも自分達のできることが話し合われた。教会では一市民として、薬剤師会では組織だってお手伝いできることが話し合われそれぞれが行動に移されようとしている。恐らく今日の日曜日は全国で無数の善意の思案がなされたのだと思う。豊かすぎる経済力がある国だからやがて支援は行き届くと思うが、それぞれの方が現状復帰されたらいいのになあと思う。生活の手段も衣食住もすべて失ったのだから、税金を使ってもらっても批判は少ないのではないか。だって映し出される姿は将来の自分の姿かもしれないのだから。難しいことは良く分からないが、戦闘機を数機我慢すればひょっとしたらまかなえる額ではないのか。  皮肉にも西日本の今日は穏やかな春の日差しに朝から包まれていた。すれ違う車もすれ違う人々も楽しげではあるが、恐らく誰もが居心地の悪さを感じている。災害に遭われた人達と何かを共有しないと落ち着かないのだ。少しの寒さ、少しの空腹、少しの渇き、何でも良いと思う。今日の日差しを遮る手のひらでも良いと思う。