久しぶりに開催された中学校の保健委員会のテーマが食についてだった。自己紹介の時、出席している母親がそれぞれ懸念などを述べていたが、全く心配のない家庭も半数くらいあった。好き嫌い無くよく食べて元気そのものって感じの報告をする母親は見ていてとてもおおらかだ。恐らくストレスの少ないいわゆる良い家庭なのだろう。さすがにその様な自己紹介する母親に僕は面識がなかった。恐らく家族みんなが健康で薬局なんかには用がないのだろう。  後半分の親は、それぞれの懸念を述べていたが、聞いていてどれも個性の範囲で、心配はない。ハンディーと懸念していることも第3者には長所のように聞こえることも多々あった。一律に食を語ることが、正しいとは思わなかった。理想とされる食生活は、隣に腰掛けていた若い栄養士の先生に任せて、僕は日々奮闘しているお母さん方にエール送ろうと行く前から決めていた。食生活の善し悪しを他人が判断するのは差し出がましいし、漢方的な発想で食を語れば、現代の栄養学と対峙してしまうことがある。それではお母さん達がとまどってしまう。「食事は空腹時にする(お腹がすいていなければ時間が来たからと言ってご飯を食べない)」「冷たい物を胃袋に入れて身体を冷やさない」この2点だけお願いした。おかず一つ作れない僕がとやかく言う資格はない。  毎日子育てと仕事を両立させている母親達に何が言えるだろう。仕事だけしていればいい男が、何を言えるだろう。若い母親達を見ていると、恐らくそれぞれ悩みは抱えてはいるだろうが、瞳から希望の光がもれているのに気がつく。母も子も希望を持って生きていける時期なのだ。母も子も今を大切にして欲しいし、社会もそんな子育て奮闘中のお母さん方を大切にして欲しい。