2007-08-21 異邦人 エッセイ 窓ガラスに 器用にしがみついている 6本の足 うなだれて通りすぎる少女の 消こえない足音 隔絶された空間に 迷い込んだ命の泣き声 賛美歌の流れる街に 夏は落ちていく 知識欲に眼光は輝いて やがて迷路を従える 空はどこまでも青く まぶしいままだ 祖国を背負った空調が 上限を測る 人影が消える昼下がりの静寂 夏は落ちていく 歩かなければならない 道はない 越えなければならない 峠もない ただひたすらに 燃える息を吐き 立ちすくむ異邦人の制服の中に 夏は落ちていく