消費

仕事で必ず必要なもの以外は、なにも欲しくない。氾濫するものの中で、欲しい物なんかなにもない。いくら色々な媒体を通じて消費を煽られても心は全く動かされない。外出する時でも、財布にほとんどお金を持っていないので、買う気にもなれないし買う権利もない。僕の行動に消費の部分はほとんどないのだ。物から解放されると、時間も労力もより有効に使える。ひょっとしたら、体力知力さへ倹約できるのではないかと思ったりする。 物がとても欲しかった頃、時間ももてあますほどあった。しかし、お金はほとんどなかった。持ち物は布団とホームこたつくらいだった。そこまでないと逆に気が楽で、自由を謳歌していた。お金が出来た頃から物が欲しくなくなった。買えるお金はあったのだが、買いたいものがなかった。こうして僕は、物と無縁の心でおれた。しかし、そんな僕ですら、いろいろな物に囲まれている。買わないのに何故増えるのかと不思議でたまらない。壊れるまで捨てれないから家が段々狭くなっていく。  毎日、多くのものを見、多くのことを聞く。その中で心に響くことは物がらみではない。感動は物の中には生まれない。物の為に笑いもしない、泣きもしない。所有欲や便宜では心は動かない。