平生から一度に沢山の湿布を買う人が、今日はいつもの倍下さいと言った。本人のではなく姑のものなのだが、月に一度は代理で取りに来る。7枚入りのものをいつもは20個買うから今日は40個だ。ただ、いつもの倍と言われるととんでもない数になるので、一応確かめた。すると間違いではなく、40個いるらしい。40個と言えば2万円を少し超えるのだが、これだけ湿布にお金を使うのは余程の痛みを抱えているのだろうと尋ねてみたら、膝が痛くて必需品らしい。  会計をすませて帰っていった後、沢山湿布がいる人なんだなあと独り言みたいに言ったら、娘が消費税が上がるからまとめ買いしたのではないのと言った。消費税が上がることなど全く気にもしていなかったから、そうした行動に出る人が薬局にも来たことが意外だった。2万円の湿布代が3%上がれば600円の余分な出費だ。600円くらい何かを倹約すれば取り返せれると思うのだが、ありとあらゆるものを計画的に買って、寧ろ得を積み重ねていくのだろうか。  漢方薬を標榜している僕としたら、湿布をまとめ買いするよりも、寧ろ膝関節炎を漢方薬で治させて欲しいと思うのだが、そう言った選択肢はない家らしい。膝の上から湿布を貼っていったいどのくらい痛みが軽減されるのか僕には分からないが、血流を盛んにし、腱を柔らかくしていった方がはるかに痛みも治まるし、生活の質も上がってくるだろう。湿布代に2万円も使うくらいなら漢方薬を飲んでみればいいのにと、少しばかり残念に思った。  何の中身もないアホノミクスに踊らされ、金、金、金の嫌らしい時代が又来た。物、物、物の空虚な時代が来た。政治も医学も音楽も科学も嘘、嘘、嘘の罪深い時代が来た。・・・次は何だ!