Drコトー

 ドクターコトと言う番組を見終えたところだ。何故あの番組が視聴率が高いのだろう。いろいろ要素はあるのだろうが、見ていて心地よいのは、主人公が権威を捨てているところだろう。舞台も都会ではない。建物は小さく、高級車に乗るのではなく自転車をもっぱらとする。およそ肩書とは無縁のような登場人物。牛窓でも垢抜けて見える。  我が家のドクターコトは、1年に一度くらいしか帰ってこないが、たまに患者さんから教えてもらう情報では、それなりに頑張っているようだ。元々権威とは縁のない我が家だから、患者さんと同じ視線で仕事をしていると思う。いつまでもそうあって欲しい。休みも少なく、当直は多く、いつも疲れた顔をしているが、困っている人の役に立てれることは、喜び以外の何物でもない。職業柄、僕が何十年かかったことを彼なら数年で越してしまうだろう。  今週は、僕が作った漢方薬の効果がとてもよい。単なる偶然なのだろうが、心はとても楽だ。こんなことが続くわけがないから、気は引き締めている。調子が悪いのは患者さんより寧ろ僕のほうで、首、腰、膝の痛みで気がめいっている。日曜日までになんとか回復させないとバレーが出来ない。バレーで壊した体なのに、バレーが出来ないと嘆いている。我ながら懲りない人間だ。人は僕のことを、ドクターバレーコートと呼ぶ。