消防士

 1度で理解できるはずがない。2度3度と聞き返した。どうして?と尋ねても彼の口から明確な答えは出なかった。当事者なのにその不思議さに気が付かなかったのか、大らかなものだ。
 数か月前から、高血圧の薬を飲むと自律神経の不快症状がいくつも出る男性を世話している。上が160 下も100超えで危険だ。ただお医者さんも処方した薬を飲んでもらえないから手の打ちようがなく、血圧は測ってもらえるが投薬はない方だ。
 自律神経がガタガタの時点でやって来たから、最初は煎じ薬で自律神経の世話をした。これが結構効いて、血圧もとなり、今は煎じ薬で血管を守っている。
 血圧を上げている要素に体重があり、もうすぐ3桁に届きそうだ。今日血圧を測る時に初めて半袖の服装で測った。その時に腕を当然見るが、結構筋肉質で、3桁に迫っていても、脂肪太りではないように思えた。そこで「昔、柔道か何か運動をしていたの?」と尋ねてみた。すると柔道はやっていないけれど、消防士になりたくて結構鍛えていたらしい。確かに消防士は筋肉マンが多いし、必須でもあるだろう。確かに消防士があっているように思えたので「何でならなかったの?」と、直球で聞いてみた。「ならなかったんじゃなくて、なれなかったんです」と言うから、「そんなにいい体をしていたら無試験で通るじゃろう?」と言うと、ここで理解不能の言葉が返って来た。「だって、270倍なんです」何度か聞き直してやっとわかった。分からないけれどわかった。
 なんと彼が受験したときの倍率が「270倍」だったそうだ。どこの消防士か分からないが、考えられないような倍率だったので「映画なんかでやっている、レスキュー隊員みたいな特別な奴?」と尋ねると、ごくごく普通のものだった。
 想像を絶する倍率に何か答えが欲しいが、彼にも分からないらしく「そんなものらしいですよ」と軽く流した。でも僕はどうしても答えに迫りたかったので「ロスジェネ世代だから、もろその影響かなあ?」と追い打ちをかけてみた。「そうでもないでしょうけど・・・」当事者も戸惑う謎なのか。
 今頃消防士をしていたら、それこそ筋肉隆々で人々を救っているだろうにと、他人のことながら残念に思った。

蓮舫を落選させよ!小池女帝を死守せよ!小池百合子を中心とした利権が怖れる蓮舫都知事という悪夢。元博報堂作家本間龍さんと一月万冊 - YouTube