イル・ディーボ(Il Divo)

 大げさに言えば、彼らの歌を聞いてからと言うもの、他の人やグループの歌は聞くに堪えられなくなった。もっとも、すぐれた歌い手はいて感動させられることも多いが、少なくとも日本の歌手など足元にも及ばない。彼らに比べれば素人同然だ。
 昨夜久しぶりに彼らの歌を聞こうとユーチューブで探していたら、なぜかいつものように4人ではなく3人で歌い始めた。椅子は4つあるのに腰掛けているのは3人で、一つ空いていた。おかしいなと思っていたら、後ろにあるパネルの中で一人がコーラスに参加し始めた。もちろんズームではない。
 その光景で僕はすぐにザードのコンサートを思い出した。亡くなった後、バンドの生演奏で映像の中のザードが歌っていた。最初気が付かなかったが、途中から追悼公演だと分かった。同じことを彼らもしていたのだ。
 慌てて彼らの名前でインターネットで検索してみると、一番恐れていた内容がそのまま出てきた。それもことにあろうかコロナが原因らしい。声量たっぷりのエネルギッシュな歌い方をする人だから、呼吸器など人一倍強そうだが、持病でもあったのだろうかと推察する。それとも人気グループだから過酷なスケジュールをこなしていたのだろうか。
 何はともあれ、世界的な歌い手を無くしたことになる。聞き手としても素人の僕でも残念で仕方ない。あの4人でのコーラスはもう新たには聴けないのだ。
 コロナを特別視していなかったが、そして今でもその考えは変わらないが、こうした悲劇を聞くと、やはり特別な病気だったのかと思ったりする。

 

IL DIVO - Time to Say Goodbye (Con Te Partirò) [Live In London 2011] - YouTube