こんなこともあるんだと驚いた。その幸運を、ウクライナの方たちに分けてほしい。
この間まで、腎臓結石による痛みを抑える薬を処方箋で取りに来ていたのに、今回は予防薬に変わっていた。前回手術をすると言っていたから、術後で処方が変わったのだろうと思ったが、男性が面白い話をしてくれた。
「実は手術をしたんじゃなくて、自然に石が出たんじゃ。大学病院に9時から手術と言われていたんじゃけれど、看護婦さんが緑の手術着を持ってきたから、その前におしっこに行かせてと頼んだんじゃ。トイレに行っておしっこをしていたら途中で急に止まったんじゃ。そのあとまた勢いよく出たんじゃが、その時に石が出たんじゃ。それがこれなんじゃ」と言って財布からティッシュペーパーを丸めたものを取り出し中身を見せてくれた。折れた鉛筆の芯を二回りくらい大きくしたもので、ロケットのような形をした乳白色の石だった。
ずいぶん前に父の胆石を見たことがあるが全く異なる。これが尿管に詰まればさすがに痛いだろうと思う。ただそれが出た瞬間から痛みが全く消え、手術室で先生に見せたそうだ。そのあとCTで石が出たことが確認されて、当然手術(体外衝撃波結石破砕術?)なしで帰宅したそうだ。
なんていうタイミングだろう。その時に尿意がなかったら、或いは我慢していたら、痛い治療を受けていた。何のお告げか知らないが、運のいい人もいるものだ。
やたら理屈っぽい人だが、この幸運は自分でも理屈で説明することが出来ないらしくて、ただただ喜んでいたのが印象に残った。