目論見

 今フィリピンでは、薬局の店頭に風邪薬が全くないそうだ。理由が面白い。このおおらかさを息子などは好きなのだろう。移住したいと言っていたこともあるから。
 理由は例のコロナ。オミクロンだ。日本の医療機関でも処方されるのは所詮解熱剤か咳止めだから、何のことはない単なる風邪薬だ。僕の薬局の風邪薬3号のほうが効くのではないか。
 フィリピンの人も良くそれは分かっていて、わざわざ病院に行ってオミクロンと診断され仕事を休まされるよりは、黙って勝手に治しながら仕事をする方を選択している。所得が低い人が仕事を休まされるのは死活問題だ。まして普通の風邪程度の症状だから素人でも治すことはできる。わざわざ医療機関に行き高いお金を払い、稼ぎを減らすことなど選択肢には入らないだろう。このような現状を教えてくれたフィリピン人は「今、フィリピン、風邪の人いっぱい」と言う表現をした。新しい風邪が流行れば多くの人がひくのは当たり前だ。
 フィリピンではコロナバブルの人たちの目論見は外れつつあるってことか。日本ではまだまだ儲けが足りないと思っている人がいっぱいいるみたいで、やたら恐怖をあおり、有形無形の商材に結び付けようとしているが、もうフィリピンでは見透かされていて、その手は食わぬ状態になっているのだろう。
 この大らかさと強かさは何とも小気味よい。

 

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