通訳さん頑張って

〇〇〇さんへ
長い間、ご苦労様でした。先日、スマフォでお父さんと一緒に写した写真を見せてもらって、意外と多くのところに行けたのだと安心しました。ただ、あなたが一番行きたかった奈良は、行くことが出来ませんでしたね。すべてコロナのせいです。お父さんはちゃんと予定を組んでいたのですが、夢をかなえてあげることが出来なくてとても残念です。
〇〇〇さんは、お父さんの何倍も親切でした。何に例えたらいいのかわかりません。日本の家庭ではとても経験できないくらいのものです。お父さんが幼いころ、それはそれは大切にしてくれたおばのようでしょうか。
戦争でご主人を亡くした方ですが、まるで母親のように接してくれました。〇〇〇さんは、しいて言えば60年くらい前の日本人の心と似ているのかもしれません。そうしたあなたを育ててくれた田舎や、ご両親などにお父さんは感謝します。
体調の良くないお母さまが、〇〇〇さんを4年ぶりに抱きしめられることをうれしく思います。あなたの優しさがお母さまには一番の薬です。お二人とも元気で幸せに暮らしてくださいね。
最後にもう一度、大きなありがとうを言わせてください。「ありがとう」そして「さよなら」
                              お父さん

△△△さんへ
4年間、ご苦労様でした。やっと帰ることが出来ますね。待ちに待っていたのがよくわかります。お父さんが和太鼓のチケット5枚買ったと話したとき、あなたはそのチケットが飛行機のものだと勘違いして、目を輝かせていましたから。
あなたはとてもまじめな方。仕事も頑張り、遠く離れた家族をとても大切にする方。お子さんが事故にあい、ベトナムに一度帰ったときに、元気なお子さんと一緒に写真に写っている姿を見て安心したことを覚えています。
コロナがなければもう少し日本の文化を紹介できたのに残念です。お子さんと一緒に日本を旅行したいと言っていましたね。その時のために残しておいたと考えます。
日本の4年間の経験が、恐らくお子さんを育てるにあたって、大いに役立つと思います。あなたは賢明な方だから、多くの知識を持ち帰ると思います。あなたの行動にはいつも家族の為にと言う、強い意識を感じていましたから。
これから4年前よりもっともっと素晴らしい家族の時間が始まります。遠い日本の空の下であなたの幸せを祈っています。お父さんの前に現れてくれてありがとう。
                      
                                お父さん

□□□さんへ
大きな目をおどけて、ぱちぱちと瞬きする貴女の姿。アオザイ姿の目を見張るような美しさ。どちらもお父さんにとっては楽しい時間でした。でも本当のあなたをお父さんが心の中に大切に思い出としてしまっておこうと思っているのは、家族の方が病気になったとき、あなたが髪を丸めてお坊さんのようになったり、一切の肉食を控えて野菜だけで過ごしていた姿です。あなたにとって、いやベトナム人にとって、家族がどれだけ大切なものか教えてもらいました。争いや憎しみを内包する日本の家庭とは雲泥の差です。日本にもあなたの国のような家庭があった時代もあるのだろうとは思いますが、今は恐らくめったに見られるものではないでしょう。
お父さんに対しても、いつも素晴らしい笑顔で接してくれ、とても幸せな時間をありがとう。ベトナムでどんな新しい生活を始めるのかわかりませんが、あなたには素晴らしい人生を歩むに必要な「人を大切にする心が」備わっています。あなたの故郷が作ってくれたのですか?あなたの家族が作ってくれたのですか?
お父さんは実際のベトナムを知りませんが、あなたを生み出してくれた情景を見てみたいと思わずにはおれない、あなたとの4年間でした。
今まで以上に、幸せにね。日本に来てくれてありがとう。
                              お父さん

 

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