常識

 次の言葉をもし知っていたら、相当の田舎者。僕みたいな普通の田舎者だったら知らないのではないか。もっとも都会の方でも、土木工事などと縁が深い方や、そもそも知性的な方にとっては常識だろうが。
 最初は剣道の単語かと思った。アンキョがソンキョに聞こえたから。ただ、隣の寮の奥に広がっている田んぼの話をしていた時だから、武道とは関係ない。農家の方の領域の話だ。
 何やら田んぼの水をひく?、流す?のに必要なものと言うことは分かったが、それ以上のことは分からなかった。特に構造についてはいまだわからない。と言うのは田んぼの隅に横たわった土管に、どのようにして田んぼの水が入って行けるのか理解できないのだ。もし口が上に向いていたら土が入るだろうし、横に向いていたらどうしてその口まで都合よく田んぼ中の水が集まるのだろう。
 そういった疑問を複数のお百姓に投げかけてみたが、「暗渠は暗渠」みたいな返事で結局は分からずじまいだ。一月後にある企てが始まるかもしれないのだが、正解を見つけておかないととんでもない出費をしてしまいそうなのだ。「どこの田んぼにも必ずあります。田植えの時は川につながっているところの栓を占め、普段は開けておくんです」と言う重大な情報をあるお百姓がくれたので。でもおそらくこれは「常識中の常識」なのだろう。

 

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