想定内

 10日前くらいからパソコンが怪しい。クロネコヤマトの出荷伝票を印刷しようとすると、20枚近く空打ちした後やっと印刷できる。時間のロスにもなるし、精神的にも不愉快なので漢方問屋の専務さんに直してもらうことにした。
 例によって試行錯誤しながら(ご本人は想定内のことみたいだが)直してくださったのだが、その挙句、従来なかったような不都合が出てきた。動きが極度に遅くなり、諦めたころ画面が変わる。
 なんでも原因は、僕にもクロネコヤマトにも無くて、元?マイクロソフト?にあるらしく、「アップデイトをしていますか?」と尋ねられた。
 僕は送られてくるものが怪しいものだったら困るので、基本的にはすべてやり過ごす。だからそのアップデイトなるものもしていなかったのだ。その自己防衛が、パソコンを機能しにくくさせていたみたいで、彼が僕の代わりにしてくれた。
 「さてこれで様子を見てください」を2日間にわたって言われたが、順調に動いていたものが、翌朝には不都合になることを2日経験した。岡山市から来ていただくのが気の毒なので、自力で直せないかと思い、子機の電話を耳にあてながら直接指示をもらいながら直した。 
 彼にはもどかしかっただろうが、忍耐強く電話の向こうから教えてくれたおかげで、今日の不調も結構朝早く修正できた。
 一連のドタバタで珍しく多くのことを学んだような気がする。従来なら彼が直してくれるのを「待っている」だけだったが、今回は彼のロボットになって代行したからうすうすやり方がわかった。不都合があればアップデイトされているかどうか確かめる。電源を切って再起動する。
 今回の得た知識。100周遅れみたいな運動会だが、誰も号砲を撃ってくれなかったのだから仕方ない。ゴールのないかけっこ、声援のないかけっこを延々と続けていた。