香川県

 朝の8時に家を出てから、仕事に関して頭に何かが浮かんだのは、午後7時に家について車から降りた時だ。それもそんなに気が重くなる様な感じではなく、明日からまた仕事だと言う区切りが頭に浮かんだだけのことだ。それだけ家を離れると言うことは意味があるのだ。ましてその理由が、和太鼓のコンサートであったり、ベトナム人との小旅行だったりしたらなおさらだ。今日は二つともかなったから、12時間近く僕の頭、いや精神は解放されていた。
 鎮痛薬もポケットに忍ばせて、いつでも飲めるようにしていたが、鉛をぶち込まれたような不快感は長時間あったが、結局5時間の運転も薬なしで何とかこなせた。物理的な筋肉の緊張はあったが、精神からくる自律神経由来の緊張はなかったのかもしれない。
 香川県はコロナの患者がすごく少ないから、綾歌総合文化会館で行われた「志多ら」の演奏も安心して聴くことができた。会場も席を離して腰掛けるから、感染の危険も少ないだろう。そもそも文化行事でコロナの感染が問題になったことはないように思う。いかがわしい場所に出入りしなければそんなに問題はない。
 志多らの大太鼓の独奏を加藤太陽君がしているが、回を重ねるごとにうまくなっている。岡山県和気清麻呂太鼓のころから知っているが、演奏を支える筋肉の付き方が違ってきた。まるで格闘家のような筋肉が、技の上達と絡み合い、観客を沈黙させるくらいの迫力が出てきた。そしてその沈黙は、一気に観客の拍手で何回も破られた。思わず拍手をしなければならなくくらい感動が伝わってくるのだ。有名な大太鼓打ちは何人もいるが、その中にもうすぐ入って行くのではないか。
 新型コロナをいつから旧型コロナと呼ぶのか分からないが、たかが風邪で、うつうつとされてはかなわない。香川県、ありがとう。