窮状

 漢方問屋のセールスが来たから、窮状を訴えてみた。
体調以上の仕事をこなしているから薬剤師で手伝ってくれる人はいないか?あるいは、いなければ仕事量を減らさなければならないと。
 どんな条件の人がいいかと尋ねられたから、給料が安くても働き、口が堅く、暇になったらすぐ辞めてくれる人と答えた。この3条件は譲れない。恐怖のブラック。金で動く人ならいると教えてくれたが、ブラックな僕でもそれは一番困る。
 ヤマト薬局の漢方薬仕入れ量が減っては困る彼が、僕を励ましてくれた。
 彼が取引しているある薬局がここで店を閉めるらしい。先生が漢方薬、奥さんが化粧品を売っていたらしい。ご主人の年齢がなんと92歳。よくそこまで頑張ったなと尋ねると、毎日朝の10時開店、昼の12時閉店でやっていたらしい。さすがにそこまで働かれるのだから、頭はとてもしっかりされているらしい。趣味がないから、やめても暇で困るのが閉店が長引いた理由みたいだ。彼曰く、その先生を見習って、僕にもそのくらい永く頑張って!だそうだ。僕はおそらくその先生ほど元気ではない、というか、仕事量が違う。
 その話を聞いていた、広島から手伝いに来てくれている女性薬剤師がとても残念がって言った。「その先生、まだまだ頑張ればいいのに。どうして11時開店にしなかったのでしょうね」
怖っ!