高松大道芸2019

もう何年も高松の大道芸大会に通っているが、今日が今迄で一番良かった。観客も今迄で一番多かった。前のほうは地面に座って見て、後ろのほうは立って見るのだが、立っている人たちの層が何重にもなっていて、背の高い僕でも苦労する。まして連れて行ったベトナムの女性達は皆背が低いから、強引に人を掻き分けて前の方に行って見ていた。そこは若い女性だから許されるのだろうが、下手をすると観客の背中ばかり見ていなければならないくらい人が多かった。
 その理由はやはり呼んでくる芸人達の実力によると思う。何年も開催されると観客の目が肥えて来るから、ブーイングこそ起こらないが、見るに値しないと判断されたら人はまばらだ。今回はそれがはっきりしていたように思う。
 9組くらい見たと思うが、2つ飛びぬけて観客の喝采を浴びていたチームが2つある。それは中国雑技芸術団と桔梗ブラザーズだ。前者は、学校で使われる木の椅子を地上高く次々と重ねていって、見ているほうの足が震えそうな高さで倒立をする。後者は高速のジャグリングであっといわせるスピードで、共通しているのは、拍手と歓声が沸き起こり続けたことだ。今まで観客がこんなに感動し歓声を送り続けたのを大道芸で見たことがない。
 前者はテレビにも出演したことがあるし、後者はジャグリングのスピード部門で優勝したことがあるらしいからユーチューブなどで確認してもらえれば一目瞭然だが、臨場感を持って彼らの演技を見せてもらえたのは幸運だった。
 さっき、夜のテニスコートをウォーキングしていてふと思った。まるで今日一日、何もなかったかのように解放されていると。頭の中に、何もいやなことが浮かんでなかった一日だったと。緊張しなくてすむってことが、こんなに人間に優しいものかと。