秘策

 今日、ある方から電話相談を受けた。日常のありふれた光景なのだが、会話の中で印象深い内容があったから書いてみたい。都会で暮らす方と田舎で薬局をやっている人間の会話だから面白い。標準語と岡山弁と言うより、フランス料理と味噌汁くらいの違いがあるかもしれない。僕は慣れているが、相手は相当違和感を持ったかもしれない。  あちらで漢方薬局を訪ねたらしいが、漢方薬は半年くらい飲んでもらわなけれ効果が出ないといわれたらしい。この言葉はよく聞く。多くの漢方薬局が使っているのかもしれない。これは印象だが、よく流行っている薬局、信頼を得ている薬局ほどこの言葉を使っている。僕が使ったら明日から誰も来なくなる。何故なら僕は信頼もないし流行ってもいないからその言葉を使う資格がないのだ。だからいつもあせって2週間で結果を出そうとする。僕なら6ヶ月にして初めて効果が現れでもしたらそれは自然治癒だと考える。薬を飲まなくても治っているものを、薬のおかげだなどと言えるから、流行りもする。  また不安神経症の方には漢方薬を出さないとも言われたそうだ。恐らく、その薬局の方はいろいろ細かいことを尋ねられて不愉快な思いをした経験が多いのだと思う。薬局の人間のほうが不安神経症になったのかもしれない。  それにしてもこんなに条件を出してもやっていけれるのだから都会の薬局は大したものだ。人口が多いからより取り見取りなのかもしれない。都会の患者さんは権威が好きで、そういったところに集まるのだろうか。僕との会話でどう感じたのか分からないが、時には地方に住む人間と会話をしてみるのもいいかもしれない。何となく流れる空気が違うと思うかもしれない。澄み渡った青空のようにとは行かないが、心がひょっとしたら晴れるかもしれない。今日の女性も心が軽くなったと言っていた。主訴以外の情報をもらいたくて話していたら、こっちのほうが深刻だろうというような展開になったから。でもその方がよく笑ってくれたから良かった。主訴以外のほうは笑えば随分と改善する。権威は金儲けには好都合だが、治すのには邪魔だ。40年かかってもその種のものは身につかなかったので、その道は完全に閉ざされている。次なる秘策は、踊る薬剤師か歌う薬剤師。或いは・・・

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