狡猾

 両首脳(メルケルとかるた)の合同記者会見では、気まずい空気が流れる瞬間が幾度とあり、2人の間にはほとんど共通点が存在しないことが見てとれた。ホワイトハウスイーストルームで行われた約30分間の会談でメルケル首相の表情はこわばったままだった。物理学者の肩書きも持つメルケル首相は、長年オバマ米前大統領に最も近い国際政治上のパートナーだった。2人は強い信頼関係でつながり、熟考した交渉法にも共通点があった。

 なんて言う理性だろう。自分の考えを主張をするメルケルと腰ぎんちゃくのアホノミクスとは天地の差だ。もっとも経歴からして違う。坊ちゃんで育った奴と知性と良心の塊。もっともアホノミクスがプー沈と気が合うのだから、期待するほうが無理だ。秘密警察上がりの人間と親しくなれる?同じ狡猾さを持っているとしか考えられない。考えが近いといみじくも公言してしまった親友学園の理事長、3人とも同じ種類の気味悪さを持っている。それにしても普段肩書きだけでいきがっている人間達の、追い込まれたときの弱さは見るに耐えない。そして汚さも見るに耐えない。親友学園の理事長を散々利用していて見捨てるとは。もっとも戦争大好き人間達は、民百姓を戦線に送ることはしても自分は後方でふんぞり返っているだけだ。負けたら知らん顔。こんな気の小さい奴に踊らされ命を失うのはたまらない。  僕は叔父を知らない。祖父母の家に泊まりにいくと、寝るときには欄間に飾られた白黒の写真がいつも見えた。何故か丁度目にはいるのだ。写真の中の青年は綺麗な顔をしていた。もし母に似ていたら頭の良い人であったに違いない。僕がいくつになっても写真の青年はあの美しさを保っていた。もう青年の年齢の3倍くらい生きてきたが、懸命に女手1つで従姉を育てた伯母を見続けてきたから、今だ戦争を起こした奴らを許すことが出来ない。よりによって、戦争犯罪人の孫が大手を振って歩いているなんて。  もう二度と伯母のような人を作らせたくない、従姉のような人を作らせたくない。貧乏人が金持ちのために死ぬような社会は作らせたくない。子や孫をむざむざと死なせる世の中は作らせたくない。