修学旅行

 ひょっとしたら今回で、かの国の女性達が帰国する前に行っていた京都の修学旅行も最後になるかもしれない。一つ目の理由は、僕の単なるおせっかいで続けていた京都旅行だが、さすがに大会社が見て見ぬ振りをするわけにはいかなくなったのか、会社の旅行として企画してくれる可能性が出てきたこと。2つ目は、このところ僕達を案内してくれていた京都在住の女性が、就職のために京都を離れる可能性が出てきたこと。2番目の理由は僕の努力でなんとかカバーできるかもしれないが、1度案内をしてもらうとさすがと思うことばかりで、知識無しの出たとこ勝負みたいな僕の案内では気恥ずかしてやる気が萎えそうなのだ。  とりわけ今日のように、ひょっとしたら中心部?と思われるような雑踏の中を案内するのは至難の業だ。何処をどう連れて歩かれたのか分からなかったが、先斗町祇園四条河原町南座などなど、名前だけ聞いたことがあるところを案内されて、連休中と言うこともあったのだろうが、人の多さに圧倒された。かの国の女性いわく「観光で来るのはいいが、住みたくない」は全く僕も同感だ。まして日本人が1割もいないのではないかと言う環境では暮らしたくない。  1日世話をしてくれた女性が、もう何回も世話をしてくれているからかなりのかの国の女性と知り合ってくれたが、今日いみじくも「あれだけ素直に喜んでくれたら嬉しい」と言った。まさに僕の原動力を一言一句間違えずに繰り返してくれたようなものだ。あの喜びようを見たら誰もが同じ行動を起こすのではないかと思う。些細な親切がとても大きな喜びとなって自分に帰ってくる。こんなにうれしいことはない。  今日の京都旅行で見つけた新しい発見。京都旅行は時間を止めてするべし。足は前方にひたすら動かし、首はずっと横を見ている。