稀勢の里

 珍しいことが続く。ニュースを見ていてまたまた噴出した。だが今日の噴出しはすがすがしい噴出しだった。数日前の「親友学園」のアッキード事件の気味悪さとは雲泥の差だ。  横綱に昇進した稀勢の里が今日、相手力士と頭と頭でぶつかり稽古をしていて目の横を11針縫った。病院からの帰り道マスコミに様子を尋ねられ「たいしたことないです。怪我のうちに入らないっす」と答えた。顔を11針縫って怪我のうちに入らない?耳を疑う前に思わず噴出した。そもそも頭と頭をぶつける?鹿や牛でもあるまいし。角でも生えていたら分からないでもないが、髪の毛だけではクッションにはならない。相撲を実際見たことがないから分からないが、聞くところによると立ち合い、頭同士がぶつかると異様な音がするらしい。髪の毛の下は頭蓋骨なのだ。よくもこんなスポーツ?を考え付いたものだ。  以前何かで読んだか、誰かがテレビで語っていたか忘れたが、全ての格闘技の中で、一瞬のパワーで言うと相撲がダントツだろうと言っていた。その時はそんなに確信を持って信じることは出来なかったが、今なら十分信じられる。どんなに鍛えた人でも、あの体重の人とまともにぶつかり合ったら、吹っ飛ぶだろう。僕なら即あの世行きだ。  政治屋や疫人の汚さに毎日のようにさらされる今日この頃、確かに血は流したが、11針の怪我をまるで蚊に刺された程度に言いのける豪快さに、「まいった」。