時代

 「ええかわりいか、かわらんけど、一度やりだしたらやめれんが(良いか悪いか分からないけど、一度やり始めるとやめれないです)」  僕ならよいか悪いか分からなければ元々やらないのだが、どうも世間の常識とは逆な方もおられる。いや結構そちらが増えているのではないかと思う。  この半年くらい、息子さんの癌の漢方薬をとりに来る女性が、圧迫骨折をしているくせに、僕の漢方薬を買った後、スーパーに水を買いに行くと言う。わざわざ重いものを持たなくてもいいと思うし、水道があるのにどうして水を買うのかと思ったら、なんとなく体に良いような気がするらしい。事実もう10年以上その水だけしか口にしていないみたいだ。料理もお茶もコーヒーも全てその水らしい。水道水はもっぱら洗い物に使うみたいだ。漢方薬もその水で煎じてくれているみたいだが、別に嬉しくもない。このところ癌の煎じ薬を作る人が急に増えたが、恐らくその女性以外水道水で作ってくれていると思う。どなたもそれなりに効果を感じてくれているから、水の影響はないと思う。  そもそも僕だったらこう考える。あれだけ高い水を飲んでいるのだから、癌や成人病にはならないだろうと。たて続けに家族で二人も癌になったのだから、よほど効果が無いのだろうと。もっとも水で効果をうたったりしたものなら法律違反だから、何かイメージで体に良いと洗脳したのだろうが、このレベルの詐欺に引っかかるようでは、オレオレサギでも、いとも簡単にかかってしまうだろう。ただそのレベルなら被害は個人レベルの問題ですむが、アホノミクスの支離滅裂な言い訳ですらだまされてしまうとなると、こと自分のことだけではすまなくなる。欧米の価値観の押し売りの時代が終わり、世界中にヒトラーが跋扈する時代に入った。人間が又、犬畜生のように扱われる時代に入りつつある。巻き添えはごめんだ。