第22回晴れの国和太鼓祭りに行って来た。岡山市の北のはずれにある建部町の文化センターで行われたのだが、いろいろなことが1日のうちでも起こるし、色々な情報も得る。思い出す範囲でそのいくつかを書いてみる。たわいも無いことが多いし、たわいもあることも1つある。  建部町はJR津山線の駅で、かの国の子達が勤める会社がある駅からひとつだけ北にある。11時の待ち合わせにしていたので少しだけ早く建部駅で待っていたが、その駅は秘境の駅かと言うくらい寂れていて、2人が電車の到着を待っていた。駅の周りも田んぼが広がり、田んぼの向こうにはすぐ山が迫っていた。降りたのも僕が待っていた女性2人だけで、他の乗客もあまりいなかったみたいだ。コンサートの帰りにもこの電車を利用しなければならないので、念のため上りの電車の時刻を調べたら、丁度コンサートが終わる時間帯には2時間くらい電車が通らない。結局は帰りは寮まで車で送っていった。電車が走らない牛窓から見ればうらやましいが、必ず鉄道が繁栄をもたらすとは限らないことを知った。  どうも会場の駐車場が狭そうだったので、少しばかり早く到着するように計画していた。案の定着いたときには駐車場はがらがらで、牛窓から同行した4人以外を建部駅に迎えに行く道順、皆が合流できてから時間つぶしのために計画していた旭川の散策などについてガードマンにたずねた。若い男女のガードマンだったが、2人ともとても親切で、色々な智恵を授けてくれた。おかげで1時間くらい、彼女達は川の景色を堪能出来た。  岡山県内の10団体の演奏会だったのだが、どのチームも腕が毎年毎年上がってきていることを実感する。その差がなくなってきているように感じる。技術からしたらそれこそ差が縮まり始めている。その差を感じさせてくれるのは、パフォーマンスと作曲能力だと気がついた。どのチームも随分と若返って、進化についていけない世代が裏方に回っているのではと思わせるくらい舞台から消えていた。オーソドックスな手法では受けないことをどのチームも気がついてきているのだろう。  コンサートが終わって、まず2人を寮まで送ったのだが、道中興味深い話を聞いた。1人は通訳として企業に就職しているのだが、自分が最後の通訳になるだろうと言う。理由は、今現在働いているかの国の人間に代わって、ロボットを導入するらしいのだ。そのために、今45人のかの国の人を15人くらいに減らしたいそうだ。正にテレビで見ているようなものだ。大企業だからその程度のことはもう研究してるのだろう。労働人口が少なくなる日本だから、ロボットに変えるという計画は分かる。優秀とはいえないような人間がどんどん入国し始めているから、住環境を守るためにもいいことだと思う。「お父さん、今度から、ロボットと一緒に和太鼓を聴きに行くの?」と冗談を言ったが、あながち冗談ではなくなるかもしれない。時代はこんな身近なところでもダイナミックに変化している。  息子が7人乗りの車を貸してくれなくなったから、不便この上ない。もっとも買って間もない車を傷つけたのだから仕方ないかもしれないが、所詮物に振り回されたくは無い。そのうちロボットに振り回され始めるのだから、せめて今だけは傷つきやすい人間でいたい。