超下々

 ・・・熱や風邪の症状はないが、「胃腸の不調」や「ふらつき」がある。宮内庁病院での検査も異常はなく、病名や症状名は特についていないという。・・・

 体調不良の原因に「いじめ」もあると書いていた。天下の学習院でもいじめがあるのかと思ったが、それ以上に印象深かったのは、子供なのに〇〇様と呼ばれるような人間に対していじめをする生徒達の度胸だ。およそ〇〇様の後ろには国家権力をはじめとする色々な力が存在していそうだが、それをものともせずにいじめることが出来る人間がいるのだ。それは勇ましい人でもなく、勇ましい組織でもなく、ごくごく普通に育っている生徒たちのはずだが。  無邪気か無恥か知らないが、子供達によい意味での身分の垣根が無いのだろう。マスコミに追われ警備員に守られる人でも、ただの級友なのだろう。  ところで、僕なら治すことができるのではないかと思う。うぬぼれでは無く、同じような症状の子は沢山世話をしている。あの頃の子は、急に心も体も成長するからそれについていけないのだ。漢方薬はそうしたところを補ってくれるから意外と身も心も元気になる。特に、品よく育てられた子には、下々のありふれた生活ぶりを教えてあげるのが効を奏すると思う。堅苦しさの中で窒息しそうな子には、落ちこぼれる解放感を教えてあげるのがいい。いつも緊張していい人を演じることなど出来ない。隠れて、いや堂々と悪戯をすることだって許される、そんな生き方を教えてあげればいい。品のいい、人を喜ばせる悪戯は、自分自身も解放してくれる。人を傷つけず、自分自身もまた傷つけない、そんな生き方はある。  取り巻きが「恐れ多くも水戸の御老公であらせられるぞ」と言いそうな人でも、子の笑顔が復活し、登校でき、親もまた苦し紛れの笑顔をしなくてすむ心の状態であるべきだ・・・と超下々の薬局は思う。