副作用

 病気が病気だから、あえてこちらからは勧めないが、声をかけてくれていたらもう少し長生き、いや少なくとも、もう少し質の良い晩年を送っていただけていたかもしれない。  折角お母さんの漢方薬を2週間毎に取りに来ていたのに、そしてそれが生き返ったと評価してくれるくらい効いていたのに、どうして若いその方の相談をしてくれなかったのだろうかと残念だ。若いから病状の進行も早いかもしれないが、それだからこそ用いられる薬も結構強くて、副作用でかなり辛かっただろう。  その病気が見つかったときはもう手遅れだったといっていたが、その場面では逆に漢方薬しかないだろう。ただ、その選択肢に気がつかなかったのは、僕の広報不足だ。勿論、あの病気を薬局が標榜することは、薬事法違反だから、向こうから気がついてくれるようにしなければならない。老いた母親があれだけ元気になったのだから、漢方薬を利用することに気がついてくれると思っていたが、それは思い過ごしだった。  難しい、本当に難しい。政治献金のなせる業だろうが、これからは健康食品だって治療効果的なものが歌えるらしい。健康食品と言う名の添加物の塊が何にいいのかさっぱり分からないが、政治屋の懐だけには効くのだろう。プロが出来ることを制限され、素人が好き放題。まさに政治屋による副作用だ。