北斗八星

夜のウォーキングの楽しみは、空の星を眺めながら歩くこと。梅雨のころからなかなか晴天に恵まれなかったので、昨夜は久しぶりに星空を見上げた。僕が歩く時間帯は、飛行機がとても多く飛び交い、一つの空に5機が同時に飛んだりする。多くの人が飛行機を利用していることに驚く。東西に飛ぶ飛行機のほうがやや多いような気がするが、意外と南北に飛ぶ飛行機も多い。どこからどこに向かって飛んでいるのだろうかと興味を持ち、航路をd調べたことがあるが、想像以上の沢山の線が地図上に引かれていて結局は何も分からなかった。あの時間帯だから、国内に帰ってきているのか、はたまた外国に飛び立っているのかと想像をかきたてるが、僕にはもともと知識はない。子供たちが独立するまでは絶対飛行機には乗らないと決めていたし、独立してからは、好奇心もなくなり、もう乗ることはないだろうと勝手に決めている。 星座についても何の知識もないが3つくらいはわかる。その中の北斗七星がなんだか昨夜は間延びしていた。見上げた空にすぐに見つけたのだが、それもずいぶんと長い間お目にかかっていなかったから、なんだか旧友に会ったみたいに嬉しかったのだが、なんとなく柄の部分が長く感じた。そして気がついた。今夜のは「北斗八星」なのだと。そして8個目の星が少しずつ動いていた。丁度柄の部分の延長線に飛行機の灯がまるで星の輝きのように見えたのだ。偶然のいたずらだ。  毎晩暗闇のテニスコートをまるで不審者のように徘徊する。誰かに見つかれば逃げられるか警察に通報されるかだろう。夜空を見上げ瞑想に耽りながら、人生の迷走振りを悔やむ。若いときに感じていた「9の苦しみを1の楽しみでごまかして生きるのが人生」と言う感慨は、現代の若者にも受け継がれているように思う。いやひょっとしたら9ではなく、9.5くらいに苦しみが増えているのではないかと危惧する。