香辛料

なんとなく因果関係がありそうな気がしてきた。好みが合わないだけでなく、実際に口にすると僕の体も拒否反応を示すのかもしれない。善良な人たちだから、好意で勧めてくれるのだが、強い意志で、いや煙に巻いて、いや泣き落としで断らなければならない。 少しは慣れたということだろうか、以前みたいに匂いをかいだだけで吐き気がするようなことはなくなった。だからつい口に入れたのだが、そしていつものように反射的においしいと言ったものだから、継ぎ足してくれて結局はお腹が膨れるくらい食べた。そうめんはやはりつゆで食べたいし、具は海苔くらいが僕はいい。要はどんな料理でもシンプルなのが好きなのだ。ところが彼女たちが作ってくれたのは、具に圧倒され姿が見えないようなそうめん?なのだ。味はいつものように、おそらくにんにく?を多用したもので、これまた多用する鶏肉の脂が浮いていた。嘔吐中枢が若干刺激された。 翌日僕は何度もトイレに通った。過敏性腸症候群の下痢型よろしく、少し働くとすぐに催してきて、朝のバナナから、次第にカレーのルウまで経験した。若干しぶって、僕が漢方薬を送っている人たちの苦痛を追体験することが出来た。最近同じようなことを数回繰り返したから、冒頭の気づきにつながったのだ。僕には香辛料の何かがあわないのだ。だから命を守ろうとして下痢を起こしてくれているのだと思う。合わない物を早く体外に出すには吐くか下痢しかない。どうやら後者のほうらしい。おいしく食べることが出来ずにおまけに下痢までしたらかなわない。ここは正直に・・・言えない。まるで子供のように「オトウサン ドウゾ ドウゾ」と繰り返されたら、にんにく尽くしでも口日にしそうだ。 かの国の青年たちと文化の違いは乗り越える自信はあるが、食べ物の違いは乗り越えられない。味覚だけではなく「大腸よ、お前もか」には参った