簡単

姪が仕事に来るなり「おじちゃん、インターネットでジューサーを買ったんだけど、来てみたら○○県のだったんよ。どうしよう」と心配顔で言った。「線量計を貸してあげるから家で測ってみたら」と提案すると「段ボール箱は車に積んで持ってきているんよ、持って入ろうか」と言うから僕はあわてて「持って入ったらだめ、車で測ったら?」と薬局に入れるのを阻止した。線量計の使い方を教えると、姪は急いで駐車場に行き段ボール箱に向かって測っていた。 程なく笑顔で帰ってきた。見せてくれた値は小数点2桁で僕自身も安心した。おそらく機械自体も大丈夫だろうと言うことで「安心して使う」ことで落ち着いた。このように作られたところが具体的に書いてあれば、こちらもそれなりに調べて買うが、ノーマークのものは手が出せない。 これを風評被害とは言わない。基本的には東のものには手が出ない。東の人が悪いのではない。東に作った人間や作らせた人間が悪いだけだ。責任を取って今頃牢獄かと思うが、牢獄はむしろ被害者に門戸を開く。いつの世も同じだ。 多くの外国の人が訪れ、多くの日本の製品が売れる。見えない、臭わない、聞こえない、味がしない、触れないなら恐怖を感じようがない。もし、10分もいてはいけない危険な濃度と言われても怖さを実感できない。それよりも御法度の裏街道を歩く人が1mの距離にいたほうが余ほど怖い。 姪もかなり神経質に口に入るものを選んでいたが、ちょっとした油断で小さな騒動になった。自分や家族を守るのは当然だ。人様まで守る必要はない。色々な価値観の人が共存しているのだから粛々と信念を貫けばいい。簡単なことだ。