気分転換

どういったジャンルに分類されるのかわからないが、多くの観光客を集める施設の中に「マムシ注意」とか「いのしし注意」の看板がそこかしこにあるのは珍しい。来る季節を間違えたなとすぐに思ったが、入場料を払って入っているし、引き返せれる距離でもない。 サンポート高松での和太鼓の公演に誘った岡山市在住のかの国の青年たちが今日は日本語の検定試験で急遽来れなくなって、牛窓在住のかの国の女性たちを誘った。まったくのピンチヒーターだから、又先週は自衛隊の音楽を聴きに高松に行ったばかりだから、何か新鮮味がないと彼女たちも興味半減だろうなと思って、四国村に足を伸ばした。 先週高松に行った女性がほとんどだったが、一人新しく通訳としてきた女性が初めて僕と同行した。他の女性たちが四国村に入るなり、写真を撮るスポットばかりに興味を示す中、彼女だけは丹念に一つ一つの展示物(ほとんどが200年以上前の日本の家屋なのだが)の中に入り、建物の素材や道具などを手で触りながら興味しんしんだった。日々僕もネタ探しに余念がないのだが、なかなか彼女たちの好奇心を満たしてあげることは出来ない。今日の四国村は写真派にも、好奇心派にもうけたかもしれない。 予定した時間より少し早く四国村を回れたので、わらやでのうどんには時間が早すぎた。和太鼓の会場であるサンポート高松の隣にあるJRのホテル、クレメント?高松とか何とか言うホテルのバイキングに彼女たちを誘った。好き嫌いを聞いていたら、どの店に入っていいのか決まらないから、自分で好きなものを選んで食べてもらうのが一番だ。案の定ホテルのバイイングだからとても喜んでくれた。最初は少し気後れしていたが、途中からさすがに若い女性で、僕が目に留めないようなものまで見つけてきて、楽しんでいた。 もう何度も僕と和太鼓追っかけツアーをしている女性も数人いるが、初めての女性もいた。最初の曲からとても感動して、驚きの声を何度も上げていた。そして僕に何度も感謝の言葉をかけてくれた。別に僕が太鼓をたたいているのではないから感謝してもらう必要はないが、異国で若い女性が単調な毎日を送っているのを、何とか気分転換をはかってほしいと願っている僕の思いが少しでも届いてくれたらと思う。